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居宅介護支援事業所が単独(独立)であるべき理由とは?(その1)

   

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居宅介護支援事業所(ケアマネジャーの事務所)が単独、つまり他の介護サービス事業所に併設をしていないことが理想的であるべき理由があります。

それは、ひとことで言えば、”公正中立”であるべきだからです。

本来、ケアマネジャーは、公正中立であるべきであることが前提ですが、なぜ、敢えて、「単独型」とか、「独立型」などと枕詞のように表現され、議論になるのでしょうか?

現実を踏まえ、考えてみましょう。

なお、私見が入りますので、立場によっては異論があると思われますが、

実際にケアマネジャーを生業としている者(わたくし)としての見解でありますので、ご了承ください。

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居宅介護支援事業所ってなあに?

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ところで、「居宅介護支援事業所」というのは、どんなものなのでしょうか?

まずは、介護保険法の定義から見てみましょう。

介護保険法

第8条24項

この法律において「居宅介護支援」とは、居宅要介護者が第四十一条第一項に規定する指定居宅サービス又は特例居宅介護サービス費に係る居宅サービス若しくはこれに相当するサービス、第四十二条の二第一項に規定する指定地域密着型サービス又は特例地域密着型介護サービス費に係る地域密着型サービス若しくはこれに相当するサービス及びその他の居宅において日常生活を営むために必要な保健医療サービス又は福祉サービス(以下この項において「指定居宅サービス 等」という。)の適切な利用等をすることができるよう、当該居宅要介護者の依頼を受けて、その心身の状況、その置かれている環境、当該居宅要介護者及びその家族の希望等を勘案し、利用する指定居宅サービス等の種類及び内容、これを担当する者その他厚生労働省令で定める事項を定めた計画(以下この項、第百十 五条の四十五第二項第三号及び別表において「居宅サービス計画」という。)を作成するとともに、当該居宅サービス計画に基づく指定居宅サービス等の提供が確保されるよう、第四十一条第一項に規定する指定居宅サービス事業者、第四十二条の二第一項に規定する指定地域密着型サービス事業者その他の者との連絡調整その他の便宜の提供を行い、並びに当該居宅要介護者が地域密着型介護老人福祉施設又は介護保険施設への入所を要する場合にあっては、地域密着型介護老人 福祉施設又は介護保険施設への紹介その他の便宜の提供を行うことをいい、「居宅介護支援事業」とは、居宅介護支援を行う事業をいう。

※青字は筆者による

と、なっていますが、もう少し簡単に言いますと、

 

「居宅介護支援」というのは、

介護が必要な状態にある方が、住んでいる場所(居宅)で、

生活に必要な公的及びそれ以外の必要なサービスを、

必要に応じて受けることができるように、

身体のことや、環境に合わせて、

利用したい人、またはその家族などの希望を踏まえて、

計画的に利用し、計画的にサービスを提供できるように、

関係者と連絡調整をしたり、関連する必要な手続きや情報提供など

(同様に施設入所が必要な場合も同様に)

を行うことである。

そして、「居宅介護支援事業」というのは、

以上のことを行う事業である。

 

だから、居宅介護支援事業所、というのは、

その居宅介護支援事業を行う事業所、ということです。

 

 

・・・これでわかりますかね?

 

(他の機会で、もう少しケアマネジャーの仕事を説明する場を設けたいと思います。)

 

もっと、簡単に言うと、

 

介護が必要な方が、自宅でその人の状況に見合った生活を実現するため、必要なサービスを受けられるように、連絡調整や情報提供などを、計画的に行うケアマネジャーのいる事務所。

 

これが、「居宅介護支援事業所」です。

 

そして、ここで、問題になるのが、

そのケアマネジャーのいる事務所が、単独で存在するのか、他の事業とくっついているのか、

ということなのです。

 

私としては、単体(単独、独立、どちらでもよいのですが・・・)であるべきだと思っています。

しかし、全体で見れば、単体の事業所は、10%程度です。

年々増えてはいますが、ほとんどは、何らかの事業と併設されているのです。

 

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居宅介護支援事業所に併設サービスがあると何が問題なのか?

それでは、居宅介護支援事業所が、他のサービスと併設されていると、どんな問題があるのでしょうか?

 

私が経験してきた中で、ケアマネジャーとして一番に葛藤してきたことは、

中立でいられない

ということです。

中立でいられないと、公正でもなくなります。

公正とは、偏りがなく、正当であることです。

 

なぜ、中立でいられないか・・・。

 

私が一番嫌だったことを挙げます。

 

それは、その会社の営業部として扱われる、からです。

要するに、

「わが社の利益のために、わが社のサービスを組み込んだケアプランを作ることが、わが社のケアマネの仕事じゃ!」

ということです。

 

ケアプランは基本的にケアマネジャーが作ります。

利用者と相談しながら、ケアマネジャーが、利用者が困っている事を解決するための手立てとして、介護サービスを使うことをプランに位置付けますが、例えば、数あるホームヘルプサービスのなかでどこを選ぶのか、は、利用者と相談して決定します。

 

しかし、ここで、利用者にどこのサービス事業所を使うかを恣意的に決めることもできるわけです。

「もし、特に決まっているところがなければ、ウチのホームヘルプサービスでもよろしいですか?」

と。

利用者は、数ある事業所リストを見せられても、決められません。

何せ、どんな人が働いているのか、どんな特徴があるのか、そんなことは、利用する側は分かりっこないのですから。

地域によっては、ヘルパー事業所は数十か所もあります。

 

だから、会社としては、あらかじめケアマネジャーに、

「できるだけ、ウチのサービスを使うように、持っていってほしい。」

という暗黙の指示、もしくは、はっきりと指示を下しているのです。

 

この時点で既に、中立公正ではないのです。

 

自分の会社のサービスで固めることは問題なのか?

本当に、ケアマネジャーが、他の法人のサービスと比べて、明らかに質が高い、

とか、

他の法人のサービスが、その地域にほとんどない、

ということであれば、正当な理由があります。

自信をもって、推薦すればよいと思います。

 

しかし、一人のケアマネジャーとして、

利用者の利益を優先に、利用者の目線で、選択をしてもらいながら、プランを組み立てたい、

という意識をもっているならば、

会社からの命令で、自社サービスを優先しなければならない、という圧力が常に付きまとうのは、

その時点で、非常に情けなくなります。

なぜなら、本来のケアマネジメントができていないのですから。

 

ケアマネジャーは、生活に困難さを持っている利用者と面接し、

いろんな情報をもらって、

一緒に、どうすればよいか、考え、提案し、

利用者が納得して、自分自身の判断で、自分の暮らしを組み立ててほしい、

と常々考えているわけです(みんなそうだと思います、たぶん・・・。)

 

だから、例えば、

「この方(利用者)は、細かく生活にこだわりを持っている。だから、そういったこだわりに上手に付き合って、理解して、サービス提供できる、A社やC社のホームヘルプサービスを利用するのが良いだろう。」

と、ケアマネとしての経験と知識をフル稼働して、その条件にあった事業所をピックアップし、説明をするわけです。

 

その結果として、どうしても自社のサービス事業所が増えてくるなら問題ありません。

しかし、初めから選択肢を狭められ、優先的に自社サービスを、という縛りがあるとすれば、

上記のような、”まとも”に考えて、利用者本位、または自立支援(自己選択ができる暮らし)を手助けできません。

 

それは、利用者が、その利用者の強みを活かして生活をしていく機会を奪うことにもなるわけです。

 

もちろん、全てが自社サービスが悪いわけではなく、それでばっちりうまくいくことだってあります。

でも、他のA社やB社のほうも同列に並べたうえで、一番結果の出るであろう選択をしていきたいものですよね。

要するに、「選択をする(してもらう)自由」を奪われたくないわけです。

 

もしかしたら、これはケアマネジャーのエゴだと思われる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、「指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準」(平成十一年三月三十一日厚生省令第三十八号)

にも、基本方針として

第1条の3

指定居宅介護支援事業者(法第四十六条第一項 に規定する指定居宅介護支援事業者をいう。以下同じ。)は、指定居宅介護支援の提供に当たっては、利用者の意思及び人格を尊重し、常に利用者の立場に立って、利用者に提供される指定居宅サービス等(法第八条第二十四項 に規定する指定居宅サービス等をいう。以下同じ。)が特定の種類又は特定の居宅サービス事業者に不当に偏することのないよう、公正中立に行われなければならない。

 

※下線、青字は筆者による

と明確にされています。

結果的にうまくいく、ということも大事かもしれませんが、ケアマネジメントの一連の思考過程に沿ってのプラン作りが身につかなければ、結局は会社の言いなりになる、斡旋ロボットでしかないわけです。

 

この時点での結論として・・・

よって、ここまで話をした、自社サービスへの誘導という圧力というものが、併設サービスの場合、高確率で有り得る、

そのことが、中立公正を基本とする居宅介護支援事業所にはそぐわないし、ケアマネジャーの存在意義に関わってくる、

ということが言いたいわけです。

ですので、私としては、このことだけ考えてみても、

居宅介護支援事業所は単独(独立)であるべき理由

になると考えるのです。

 

もちろん、ほとんどがケアマネ事務所が併設になっていることは、それなりの理由とメリットもあるとおもわれますので、それは次の機会に考えてみたいと思います。

 

今回のまとめ

今回は、居宅介護支援事業所が他のサービスと併設されている場合の、最も私が嫌だった側面のみをお話ししました。

つまり、中立公正を阻害する自社サービス誘導について、ということでした。

私は、「自社サービス斡旋ロボット」には、なりたくなかった。

でも、それで給料をもらっている、生活をしている、というのも一つの縛りとなっています。

だから、ぐっと、こらえるのですが、それは、おかしな話なのですよ、ほんとに。

なにより、利用者に申し訳ない、という気持ちでいっぱいです。

だから、今、私は、単独型の居宅介護支援事業所に所属しています。

 

次回以降は、

  • 併設サービスのある場合のその他のデメリット(今回語れなかった内容)
  • 併設サービスのある場合のメリット
  • 単独であることのメリット、デメリット

など、単独か、併設か、ということについて関連することを、いくつかに分けて書いていきたいと思います。

まだまだいろいろな要素がありますし、一つの側面だけでは語りつくせないので、何回かのシリーズになると思います。

 

以上です。

最後までお読みいただきありがとうございました!

 

 

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